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木口木版画とは
木口木版画とは柘植などの固い木の輪切断面(木口)にビュランなどの鋭利な印刀で彫刻し、制作する木版画です。
1㎜の中に何本もの線を刻印できる細密性に特徴があり、小さな版面であっても、沢山のモチーフを彫刻できるため、深淵な表現をすることができます。
道具は銅版画と同じ印刀とインクを用います。刷りは専用プレス機を用いる方法もありますが、一般的には雁皮紙に手刷りしたのち、台紙に貼り込む方法が採られます。
古くイギリスで印刷用に開発された技術ですので、良質の版木は千枚程度のプレスに十分耐えられる耐久性があります。
海外作家の作品は自然・風景を題材にしたものが多く、日本作家の作品は、自然・風景を題材にした作品もありますが、モチーフを活かしながら内面世界を表現した作品が数多く見られます。
掌にすっぽり入る小宇宙を実感できる木版画です。

木口木版版木と印刀
板目木版画とは
板目木版画とは、桜、桂、朴、シナなどの縦断面に、専用の彫刻刀で刻印して制作する木版画です。
浮世絵のように繊細な表現も可能ですが、おおらかで大胆な表現に持ち味があり、温かな雰囲気の作品を生み出すことができます。
プレス機を用いて制作する場合もありますが、基本的には、バレンを使用した手刷りです。紙は一般的に手すき和紙にドーサ(にじみ止め)を引いたもの、絵の具は不透明水彩が用いられます。桜などに彫られた作品は、比較的多くの刷りに耐えられますが、シナなど柔らかな木の場合、枚数を刷ると、輪郭線が磨滅してゆきます。
一版一色、一版多色、多版多色と色々な版と色のあわせがあります。
木がもつ温かみを感じられる木版画です。

板目木版版木、彫刻刀、バレン、刷り込み刷毛
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