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 MIKA。本名:小泉美佳。愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。

 東京展優秀賞、銀座薔薇画廊新人作家コンクール優秀賞受賞。

 英国木口木版画協会公募展入選。元東京展会員。

 個展・グループ展・招聘参加展覧会多数。

​自己紹介
​木口木版画によせて

​ 20代後半、板目木版画を始めました。しかし、時が経過するとともに、もっと細密なものを彫りたいと思うようになりました。講師から木口木版画の方が創作スタイルにあっているのではないかという助言をいただき、その時初めて、板目木版とは異なる木口木版という版画があることを知りました。

 しかし、当時、板目木版の教室はあっても、木口木版の教室はなかなか見つけることができず、むなしく時間ばかりが過ぎてゆきました。そして10年後、やっと講習会を受講することができました。

 直径3センチほどの、小さな木口の版木を手にし、版面におずおずとビュランを走らせた時の感覚は、今でも右手に残っています。そして、小さな版面に刻印することで生まれて来る宇宙を凝縮したかのような世界に魅了され、今でも版木を彫り続けています。

 展覧会ではメートルサイズの作品も出品されますが、木口木版はもともと印刷のために発展した技術ということもあり、微細な表現に優れていることから、多くは書籍挿絵サイズの小さな作品です。遠く離れて鑑賞するというよりは、近くで愛でる版画と言えるでしょう。

 人は自分自身が観るものになり、聴くものになります。技術は懸命な努力により習得することができますが、作品に宿る魂を深めるには心を磨く以外にありません。

 観る人の心に静かな音が生まれるような作品を作り続けられたらと思っています。

 

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